大好評の3rd Album「PRIZE」からの第2弾MV「MOON RIDER」を発表したTAPE ME WONDER。絶賛ライブサーキット中のフロントマン、noriboooooneに「MOON RIDER」の楽曲やMVに込められた思いの丈を聞く事が出来た、貴重なインタビューを公開!
interview by 齋藤泰人(Hooky Records)
2022.06.04
ー 新MV「MOON RIDER」の公開おめでとうございます。
nori ありがとうございます!諸々あって制作にちょっと時間が掛かり、映像的に季節外れになってしまいましたが、やっぱり嬉しいものですね。
ー 美しい雪景色の中をおじさん4人がはしゃぐ、キラキラしたMVですね!
nori MV第一弾の「羽衣」が、レコーディング風景中心のインドアな感じだったので、今回はロケにしたいと思ってて。
ー 雪景色で撮影のアイデアはどのように?
nori 子供の頃、U2の「New Year’s Day」という曲で雪の中で演奏しているMVがあって、とても印象的だったんですよね。それをふいに思い出したんです。ちなみに指抜き手袋はそのオマージュ。
ーあー!分かります(笑)!
nori 曲調的には、U2のシリアスな雰囲気とは全く違うけど(笑)
ー 雪の中での撮影はどうでしたか?
nori 雪は雪でも凍って固まっていたら歩きやすいんだけど、撮影前日に降った雪が固まってなくて、歩くたびに足が膝まで埋まってしまうんですよね。当然極寒な訳で、マジで体力勝負でした。
ー とても綺麗な映像ですね。
nori メンバーとスタッフで1泊2日のスケジュールで長野に行ったのですが、初日にロケ地を視察した時は吹雪いていたのに、本番日はキレイに晴れてくれたり、撮影、編集スタッフにも恵まれました。お陰様で良い思い出になったな。
ー 初日の夜とか楽しそう。呑み過ぎたんじゃないですか!?
nori ディレクターが旧知の仲の熊ちゃん(エロパンサー3世:noTOKYOのDrums & Percussion)だったし、元スタッフの新居に泊めてもらったんで、そりゃ盛り上がりましたね。
ー MVの見どころの一つとして二日酔いのメンバーですかね(笑)
nori 我々より、熊ちゃんの方が呑んでた気がするけど。
ー なるほど(笑)
nori 全体的にいい歳したオジサン達が、全力で人生を謳歌している姿を楽しんで貰えればいいかと。
ー 3rd Album「PRIZE」の2nd MVとしての「MOON RIDER」はアルバムの中で、どのような位置付けの曲ですか?
nori 勿論作り手としては、全曲思い入れはありますが、「羽衣」と「MOON RIDER」は、今回のアルバムを作るキッカケになった特別な曲なんですよね。今やライブセットでも欠かせないレギュラーだし、個人的にはサウンドも含めギターロックの到達点くらいの気持ちがあります。また、レコーディングエンジニアの中山さんも、この曲の出来をとても気に入ってくれているのもあるかな。
ー 歌詞もストレートな応援歌となっています。どのような思いが込められていますか?
nori そこまでストレートだとは思わないけどな、齋藤君はどう感じた?
ー 若いバンドマンなど、夢を見て頑張る人を肯定する曲だなと感じました。MVの途中で昔のメンバー写真がビフォーアフターのように挿入されていますよね。時間の流れを表現しているのでしょうが、勿論、実際に歳は取ってるんだけど(笑)、これが不思議な事に今の方が輝いて見えるんですよ。まだ「集中してるんだ」って思いました。若者に希望を与えつつ、結局TAPE ME WONDERがキラキラしてるんだなって感じました。
nori ありがとうございます。後先考えず、愚かで失敗も悔しい思いも沢山した当時の自分達を肯定するというか、あの頃の自分をしっかり理解してあげたかったんですよね。それと同時に、過去の失敗を塗り替えられるのは、いつだって今の自分だけなんだという思いがあって。
ー それでMVに若い頃の写真が挿入されていたんですね!
nori そうですね、ひとつのモチーフとして。あと、デュの貴重なビジュアル系時代が一瞬見れるのもポイントです(笑)
ー 以前、コロナ禍初期の混沌とした社会情勢での3sykのインタビューで「やっぱりこの人(noribooooone)は「最高じゃん最高の人生」って、こうこういう状況にあっても歌うんだなぁと、メンバーながらに感銘を受けました。」という発言が有ります。noriboooooneの書く曲は常に生きる事を肯定しています。その精神はどこから来ていますか?
nori 表現として何を選び、どう表現するかは人それぞれだとは思いますが、曲を作りバンドで演奏するという行為自体が、基本的にポジティブなことだと思っています。僕個人のメンタル特性について言うと、ナチュラルなポジティブタイプでは全くなく、寧ろ心配性で根暗なタイプだと思うし、もうダメかもと思うことも勿論あります。でもそんな時こそ音楽や仲間達に救われてきたし、言っちゃえば結果オーライなんだけど、そんな結果オーライが何度も続いていくうちに、素直にポジティブな気持ちを書けるようになったんじゃないかと思います。そういう意味では、バンドというチームにも助けられていますね。チームにおいては、どんな状況でも「から元気」って、意外と大事ですから。
ー 「から元気」確かに大事ですね!確か学生時代って剣道部でしたよね?そこで鍛えられたとか?!
nori 僕の時代の体育会系はまた今とは違いますからね、そのまま音で表現してたらデスメタルですよ。
ー 今のままでお願いします(笑)
ー 「PRIZE」をリリースしてから怒涛のライブ活動を展開してますよね。調子はどうですか?!
nori お陰様で非常に好調ですね。かなり無理なスケジュールを強行する事で、色んな工夫も生まれたし、チームとしての強度も格段に上がったと思います。どのライブも個性的なイベントで刺激を貰ってるし、ライブハウスからのオファーも無限リピート状態になっています。共演バンドの間口の広さは、これまでのキャリアと音楽性の賜物かと思いますね。
ー アルバムリリース直後の良い時期のライブなので是非、沢山の人に観てほしいですね!
nori そうですね、ライブもMVも含め、このアルバムの為にやれる限りの事はしたいと思っています。それと最近のTMWは、どのライブもハズレが無い状態まで仕上がっているので、是非一度生で観て欲しいですね。
ー 今後のMVの予定はありますか?
nori 元々は音源が完成した時点で、ミュージシャンとしての純粋な制作は終わりという考え方でしたが、最近は映像も一つの作品と考えられるようになりました。このアルバム(PRIZE)については、全曲作ってもいいくらいの気持ちでいますので、是非ご期待下さい!!!
noribooooone
PG名義でGQ06で東芝EMIよりデビュー後、数々の新人アーティストのディレクションを手掛ける。
現在は仕事で国内外を駆け回りつつ、pygmy with bitter ends、TAPE ME WONDER、Mellow Monk Connectionなど多岐に渡るプロジェクトを継続中。
お酒が入るとついつい饒舌になりがちだが、本当は人見知りの愛犬家。旅とブログ、サウナとミニクーパー、レコードとアートがキーワードの、好奇心に抗えない大人である。
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