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noribooooone / MV公開 インタビュー!


noribooooone

今年5月に行われたツアーファイナルとなる渋谷WWWでのワンマンライブより早3ヶ月。3rd Album「PRIZE」の中でも極めて異彩を放つ "群衆" のMVが公開となりました。今回は公開を記念して、バンドの中心人物であり、現在オランダアムステルダム在住の noribooooone に近況やワンマンライブ、新作MVについて話を聞きました。


interview by 齋藤泰人(Hooky Records)

2023.08.14


 

ー Hallo. 元気ですか?



nori Goedemorgen!!! 元気でなんとかやっています。



ー アムステルダムでの生活は慣れましたか?



nori まだこちらに来て3ヵ月程度なので慣れたとは言えないですが、徐々にという感じですかね。日本にいる時に比べれば時間はあるので、色んなアーティストのライブに結構行ってます。勿論、アーティストや演奏が一番ですが、古い教会を利用したライブハウスがあったり、音響や照明のシステム含めて、箱自体にも興味があって。



ー 古い教会のライブハウスは雰囲気が良さそうですね。



nori こちらでよく行ってる PARADISO というライブハウスは、照明や演出は控えめだけど、天井がとても高くて雰囲気は抜群です。音響は生音主体ですが、天然のリバーブも効いてますね。



ー 教会と音楽って関わりが深いですよね。讃美歌とか。



nori そうですね、でも教会といっても建物だけで内装はかなりカジュアルで洒落てますよ。日本であれば、お寺をライブハウスにする感じなので、なかなかハードルは高そうですが。






ー 印象に残っているアーティストはありますか?



nori アーティストで言うと、野外の ÁSGEIR が素晴らしかったけど、何十年振りに観た PANTERA はやっぱりアガりましたね。キッズに戻ってモッシュピットに突入しました。懐かしさでいうとblurかな。



ー ÁSGEIR と PANTERA って振り幅が凄い(笑)



nori ちなみに先日はロッテルダムまで、歴史ある NN North Sea Jazz Festival に行ってきました。ジャンルは別として、こちらはコロナは完全に脱却しているし、お客さんが自由に楽しんでいるのが印象的です。



ー いいですね!








ー 食生活はどうですか?



nori オランダ料理は世界的に不評なのですが(笑)、基本は芋と乳製品の料理が中心。生粋の日本人としてはやはり物足りないので、今はほぼ自炊してますね。便利な時代なんで、レシピ不足は YouTube で学んでいます。微妙に食材が違うので試行錯誤の毎日ですが、割と料理自体は好きかも知れません。



ー 得意料理は?



nori 各種カレーとパスタ類はまともに作れるようになったかな。あと唐揚げ。あくまで自分の好みだけど。



ー いいですね!



nori 日本にいる時とは、生活環境も時間の使い方も全く変わってしまったので、慣れないことも多いですが、急がず徐々にアジャストしていければいいかなと。



ー 「目指せライフマスター!!!」ですね。



nori 生涯のメインテーマですね。






ー さて、PRIZE TOUR FINAL となる 渋谷WWWワンマンライブ から約一ヶ月経ちました。今の心境を教えて下さい。



nori あのライブはどうでした?



ー 最高でしたよ。「シャインオン!シャインオン!」って歌っちゃいましたよ(笑)



nori ずっとあの日の為に準備してきたし、とても感動的な一夜でしたね。バンドだけでなく、ゲストミュージシャン、イベンターさん、PAさん、照明さん、VJさん、ローディーさんなど、スタッフ陣のチームワークと集中力も素晴らしかった。スタッフを含めたグループLINE名も「伝説を作る会」だったし、実際にその通りになったと思います。



ー 会場の雰囲気も良かったし、映像演出もとても良かったです。



nori 丁度コロナの規制が緩和され始めた頃で、イベンターの中でスケジュール争奪戦みたいになっていて、会場選定はヤキモキしましたね。2023年の年明けくらいにキャンセルが出て、奇跡的に渋谷WWWを押さえられました。天井が高く、とても観やすい箱であることは事前に分かっていたので、照明スタッフと連携してもらい、雰囲気を壊さないように気をつけました。映像演出については、結構早い段階からやりたいと思っていて、今回のMVをお願いした吾妻君にお願いしました。



ー 翌日も祝日だったし、GWに押さえられたのは超ラッキーでしたね!



nori 個人的には海外赴任というケツもあったんで、ギリギリのタイミングでした。






ー どういった経緯でワンマンライブを?



nori 第一には、PRIZEツアーのファイナルという位置付けですね。アルバムを広める為に、2年程かなりハードにライブをやってきたので、どこかで区切りをつけたいと思っていました。第二には、そんなハードなツアーのお陰でバンドのパフォーマンスが評判になり、お客さんや裏方スタッフなど、日に日にバンドに関わってくれる人が増えて、満を持して決まった感じです。



ー 元々はファイナルが決まってない状態でツアーをスタートしたんですね。



nori まずはライブそのもののクオリティーを上げたかったし、有難いことに地方を含めてライブハウスからのオファーや、様々なバンドからのお誘いを沢山頂いていたので、それを受けるうちに自然にツアーになった感じです。



ー ツアー中に起きた特別なエピソードはありますか?



nori 沢山ありますが、やっぱり札幌ツアーは忘れられないですかね。TMWとして初めて行ったのに、お客さんやイベンターにあれほど受け入れられるとは…正直感動しました。自信にもなったし、バンドのライブパフォーマンスも一気に成長したと思います。



ー 札幌いいですね!



nori 札幌では2歳のお子さんが、MARSHMALLOWの「最高じゃん、最高の人生」を覚えて踊ってくれました。






ー 3rdアルバムからのMV第三弾として”群衆”を選んだ理由を教えて下さい。



nori 実は今回、群衆を選んだのはバンドサイドではなく、映像クリエイター側なんですよ。



ー それは珍しいですね。


nori そうなんですよ。決めていたのはワンマンのドキュメンタリー映像を使うことだけで、どの曲をどういったテイストで使うかは、基本的にお任せしたんです。観た感想はどうでしたか?



ー 自分が映ってて嬉しかったです笑。ライブに行った人は自分が映ってないか探してみて欲しいですね。ウォーリーみたいに笑。あと人形がずーっと気になっています。



nori 実はあの人形は、我々のMVには結構出演してまして。



ー そうなんですよ!PRIZEのレコーディングの時もスタジオに居ましたよね。何か意味が有りますか?



nori 単純にバンドのマスコットだったのですが、映像作品に一貫して映り込んでるのは、個人的に面白いアイデアだと思っていて。とうとう今回は主役に抜擢されました。ちなみにあの人形は、メルボルンの雑貨屋で一目惚れして買ったんです。





ー 群衆MVでの彼は何か訴えていますよね?彼は群衆のうちの1人でしょうか?それとも猫撫で声で囁く権力側なのでしょうか?



nori どちらに思うかは観る人の解釈次第ですが、ただ人形はフラットに全てを見ています。そういう意見も含め、誰もが個であり、群衆の一部でもあるのです。



ー 権力者含む全ての人間。すなわち群衆を雲の上から見てたりして?



nori 仏像もそうですが、ただただフラットな目線というのは、観る人の精神状態によっては見え方が変わります。ユーモラスに見える時もあれば、畏怖を感じる時もありますよね。



ー この歌詞はコロナ禍の影響を受けていますか?



nori 前にPRIZEの制作インタビューの時にも話しましたが、本作はコロナ禍も含めたこの時代に、我々が何を次の世代に残せるかがメインテーマになっています。権力や格差などの二元論ではなく、生きていく意味や漠然とした不安など、いつの時代にもあったであろう葛藤を考えていました。



ー なるほど、でもポジティブですよね。



nori 1サビの「眩い過ちこそが君に捧ぐ贈り物さ」という歌詞があるのですが、明日はいつも試行錯誤だし、せめて過去の失敗や過ちを未来に活かして欲しいなと願っています。勿論、為政者には手痛い失敗はなるべくして欲しくないですが。



ー 次なる活動を楽しみにしているファンの方々にメッセージをお願いします。



nori いつも応援ありがとうございます。お陰様で新しいMVを発表することが出来ました。ライブ活動だけがバンドではないし、テクノロジーの進歩で、今は色々なことを柔軟に考えられる時代です。我々は未だ旅の途中、いずれお会い出来る日を楽しみにしています。



 


インタビューの数日後に送られてきた唐揚げの画像。どうやら料理の腕を上げているようですね(笑)



 


noribooooone

PG名義でGQ06にて東芝EMIよりデビュー後、数々の新人アーティストのディレクション等を手掛ける。

現在は仕事の関係でアムステルダム在住ながら、pygmy with bitter ends、TAPE ME WONDER、Mellow Monk Connectionなど多岐に渡るプロジェクトを継続中。

お酒が入るとついつい饒舌になりがちだが、本当は人見知りの愛犬家。旅とブログ、サウナとミニクーパー、レコードとアートがキーワードの、好奇心に抗えない大人である。


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