TAPE ME WONDER新作レコーディングインタビュー第2弾としてギターの2235が登場!温厚な彼が今回のレコーディングにおいて、ひいてはTAPE ME WONDERというバンドの中での奮闘ぶりが伝わってくるインタビューとなりました。
interview by 齋藤泰人(Hooky Records)
2021.05.02
ー 自己紹介からお願いします。
2235 ギターの2235です。よろしくお願いします!
ー レコーディングは無事に終わりましたか?
2235 完成に近づいてきた今となれば、無事に終わりましたかねぇ(笑)
ー 無事じゃない感が伝わってきますが(笑)
2235 レコーディングって不思議なもので、昔からなかなか客観的に聴くことができないんですよね。演奏してる当事者なので当たり前なのかもしれませんが。でも今回に関してはベーシックを録り終えた段階で、バンドが思い描くイメージに近かったんじゃないかと思います。実際に、エンジニアさんやスタッフさん、そしてメンバーも同じタイミングで「おーーーええやん!」的な空気になりましたからね。
ー 理想の音をエンジニアさん含むメンバー間で共有されていたという事ですか?
2235 もちろんノリさん(noribooooone)はじめメンバーが出したい音、そしてどういうアンサンブルになるのかを、エンジニアさんと事前に共有していたのは大きいと思います。飲みニュケーションも含めて(笑)
ー それって簡単な事じゃないですよね?
2235 偉そうなことは言えませんが、そこは音楽うんぬん以前に、信頼関係を作ることが一番大切ですよね。ノリさん、ぺーちゃん(Pe)あたりは、そこに関しては特に拘っていると言うか。もちろん音楽的にもですが!
ー 滋賀県の出身ですよね。どのような経緯で上京しましたか?
2235 自分がボーカルを務めるquadrariumで、バンドごと上京してきたのですが、いわゆる地元の先輩に当たるデュっさん(Du)が先にバンドで上京してまして、それに続く形で上京する形になりました。まさか一緒にバンドやるとは思いませんでしたが(笑)
ー Duとは滋賀時代から知り合いだったんですか!?
2235 そうですね。彼はpapas milkってバンドをやってましてよく対バンしてました。思い返してみると、プレイスタイルも大分変わったように思いますが、その当時から素晴らしいドラマーでしたね。
ー TAPE ME WONDER(以下:TMW)に加入した経緯を教えて下さい。
2235 理由は簡単で、初代ギタリストが脱退して僕が加入した形です。過去を振り返ってみると、上京してすぐに、偵察も兼ねて色んなバンドのライブを観に行ったんです。東京にはバンドが溢れかえってますからね。そこで出会ったのが、ノリさんでした。それが良いか悪いかは別として(笑)、嘘です!
ー (笑)
2235 運命的な出会いだったのでしょうね。(確信的に)いや、運命的な出会いでした。元々GQ06とpapas milkが仲が良かったというのもあり、僕が後輩ヅラ引っ提げて仲良くさせてもらっていたと言うのがきっかけですかね。
ー TMWに加入するのって色んな意味で大変だったんじゃないですか?
2235 ええ、正直大変です。(神妙な面持ちで)昔ながらの体育会系バンドですから。
ー ですよね。
2235 過去形でもなく、今でも大変です(笑)
ー (笑)
2235 ま、それは(嘘でもないですが)半分冗談ですが。最初は曲を覚えるのが先決だったけど、今では音楽的に僕を頼ってくれたり、しっかりと良い悪いを言える間柄になりました。僕を成長させてくれた、音楽人生のど真ん中の存在ですね。
ー TMWに加入してなかったら出来なかった経験もあったでしょうね。
2235 まさに!今回のレコーディングもですね。
ー 心に残っている経験は何ですか?
2235 「難しいですね」と言いたいところですが、今回のレコーディングは記憶に新しいこともあり、ダントツ一番ですね。こんなにストイックに練習したことも久しぶりでしたので。
ー レコーディングで拘った部分を教えて下さい。
2235 繊細に引く部分と荒々しく弾く部分。そういう意識を持って臨んだつもりでしたが…結果は作品を聴いていただいてって感じでしょうかね(笑)。これは良い意味で言わせてもらいますが、アナログでの録音だった上に限られた時間しかない。ある意味諦めが肝心だったんですよね。「このテイクを採用するしかない」って。強いて言うなら、ギターに集中する事に拘ったってとこですかね…当たり前か!
ー アナログ録音で得たものと、失ったものってありますか?
2235 得たものはそこにかける想い。失ったものは…うーん、得たものだけだと思います!
ー quadrariumでは作詞作曲をしていますよね。同じソングライターとしてnoriboooooneをどう見てますか?
2235 ノリさんの作曲方法は、すごく泥臭く原始的な部分もありますが、それでいてスマートです。初期段階から完成形が見えてる。メロディはもちろんのこと、ギターやベースのフレーズも「これを弾いてくれ」という具体的なことや、ドラムのフィルに至るまで。歌詞に関しては言わずもがな。文才の塊みたいな人なので、出来上がる歌詞は流石としか言いようがないです。
ー 絶賛ですね。
2235 ノリさんと呑むと毎度のことのように出てくる逸話ですが(笑)、昔から体が小さかったので、気持ちでは負けたくないと言うエピソードであったり、剣をペンに持ち替えさせれば、あの人に敵うものはいないとまで思ってます。
ー quadrariumでの自身の作曲方法と、noriboooooneのそれとは、どこが違うと思いますか?
2235 基本的には変わらないと思います。原始的ではありますがギター1本にメロをつけて、アレンジはスタジオで練りに練りまくるというスタンスですかね。完成形がなかなか見えない、もしくはアレンジ次第で様々な変化が楽しめるという点で、スリリングさを楽しめる作り方ですね(笑)。なのでどれが正解かを手探りで、メンバーと協議しながら一曲にしていくわけです。作った曲をスタジオに持って行った時、何の気無しに演奏してみてメンバーが乗ってきたらシメシメみたいな、そんな感じが我々みたいな作り方をする人達の、醍醐味の一つなんじゃないですかね。
ー 少し前に公開したPeとDuのインタビューでも2人から不評だった愚問いきます。アルバムで特に気に入ってる曲はありますか?
2235 うーーーーーーん!これは難しいですね。
ー ですよね…
2235 素直に答えると、"ムーンライダー"はやっぱり好きですね。客観的に聴いても戦闘力が高いというか、各所にトラップがあったり、我ながらにはなりますが、コーラスワーク、ギターパートは美しくて演奏してて気持ちがいいですね。あとノリさんが「意外だわ〜」みたいに言うのですが、"Endless Summer"が好きですね。
ー そうなんですね。
2235 僕は好きなアーティストというより、「この曲のこのパートが好き」と言う感覚で音楽を聴いてしまうところがあって。だからTMWの曲でもこのベース、このメロディ、このギターフレーズがお気に入りみたいな感覚で、その曲が好きになるんですよね。
ー TMW全体の曲の中で、2235が好きなフレーズって何ですか?
2235 これまた沢山ありますが、ここは敢えて新譜からお答えしましうかね!バンド全体で言えば"ムーンライダー"のデュっさんの16分で刻むハイハットとスネアの位置関係が絶妙に好きだったり、ぺーちゃんの2番のAメロとか、"Endless Summer"でギターとベースが曲中ほぼユニゾンするとことか。"Grand Funk Road"のノリさんのAメロのギターとか。
ー 自身のパートでは?
2235 ギターパートで言うならその"Endless Summer"の最後に出てくるベースとのユニゾン部分。僕が考えてスタジオに「ぺーちゃんこれやろうやー」って持っていったのですが、運指的にギターはそれほど難しくないのに、ベースになるとクソ難しい事に気づいて(笑)。ぺーちゃんもレコーディング当日まで苦戦してたのですが、結果一発でキメたところは鳥肌ものでした!流石!ってな具合で、そのハラハラ感も楽しめたフレーズでもありますね(笑)
ー そんな名フレーズ(!?)が詰まった3rd Albumを待っているファンの方々に、メッセージをお願いします。
2235 荒々しくも、とても繊細な作品になると思います。そこにかけた想いは、ノリさん、メンバー、ゲストミュージシャン、エンジニアさん、スタッフさん含め、相当なもので、そんな全ての想いが詰まった作品になります。現時点で、前作を上回る大作になることは間違いないので、どうぞ楽しみにしていてください!!!
LINK:Pe & Du インタビュー
LINK:レコーディングリポート
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