超大作となった2nd Album「NEVERTHELESS」から、約5年振りとなる3rd Albumのレコーディングが、2021年2月21〜22日に、名門ビクタースタジオにて行われました。熱が冷めないうちに2日目の模様を最速でリポートお届けします!
report by 齋藤泰人(Hooky Records)
2021.02.25
2日目のスタジオに一歩足を踏み入れると、独特の緊張感が漂い、バンドはこれ以上なく真剣に音楽に向き合っていた。
基本的にディレクションを行うのは、リーダーのnoriboooooneで、レコーディングエンジニアさんも「厳しい〜」というシビアさ。一方でnoriboooooneのパートのディレクションはPe、Du、2235の3人で、特に耳の良いDuが中心となっていた。
ミステイクが重なってくると「リラックスしていこう」では無く、穏やかな口調で「集中しろ」とnoriboooooneから静かな檄が飛ぶ。
これが出来るのはメンバー間の信頼の賜物である。義兄弟か!?ってぐらい。いや、多分そうなんだと思う。
Pe曰く「死ぬ程スタジオ練習した、いや、やらされたというか…」というぐらい。今年入っての2ヶ月間だけで13回、40時間ものスタジオワークを重ねてきた。
それというのも理由がある。
今作のレコーディング方法は今の時代では考えられない昔の録音方法をとっており、アナログテープで録音されている。デジタルのプロツールスとは異なり、前のテイクに戻ることは出来ず、後からの修正は一切出来ない。ベーシックトラックは4人揃ってブースに入り、基本は1発録り。クリックすらほぼ使わない。ハードなスタジオワークに裏打ちされたバンドには自信が溢れていた。
そのサウンドはダイナミックで、前作よりも更にバラエティーに富んでおり、練り上げられたユーモアを感じる。これからブラッシュアップするのだろうが、用意されていた歌詞もとても素晴らしかった!!!
「NEVERTHELESS」という、バンドにとって極みとなる作品のあとにバンドが目指したのは、気の抜けた炭酸のような作品作りでは無く、更に高みを目指すという強い決意だった。
ベーシックトラックのレコーディング終了後に、PeとDuは涙を流していた。これ程までに情熱を注ぎ込んだ作品には、野暮ではあるが、間違いなく魂が宿る気がした。いや、この時点で確かに剥き出しの魂が詰め込まれていた。
バンドマンであれば誰もが憧れるメジャースタジオで、これ以上ない形で3rd Albumのレコーディングがスタートした。noriboooooneは「まだまだこれから先は長いぞ」と言っていた。この後のボーカルとコーラス録りに向けてnoriboooooneと2235は、既に引き締まった顔をしていた。
大量の機材と満足感…コロナ禍で寒風なびく音楽界だが「もしかしたら、これは何かが起こるのではないか」という予感のようなものを感じた深夜だった。