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寄稿企画「~Irokawa’s Pedal board~」

  • 9月5日
  • 読了時間: 5分


こんにちは。オルタナティブ&パワーポップバンドの「Snooze Potato」でリードギターを担当している Irokawa です。自他ともに認めるエフェクターオタクです。今回は私がエフェクターボードを組む際に重視しているポイントを紹介していきたいと思います。ギタリストならばエフェクターボードの構築およびエフェクター選びに悩む日々を送っていることでしょう。この記事でそんなギタリストの方々の悩みを少しでも解消できたら幸いです!


ギタリストにとってエフェクターボードは、単なる機材の集合ではなく「パフォーマンスを支えるサポート役」だと私は考えています。どれだけ高価な機材や大量のエフェクターを並べても、最終的に重要なのはフレーズやリズム、弾き手のニュアンスです。音が出なければ意味がありませんし、複雑すぎる構成は操作に気を取られ、演奏やステージ上での動きまで制限してしまいます。


現代は選択肢が非常に豊富で、音質をキープしながら軽量化やトラブル対策など、さまざまな要素を同時に考慮できる時代です。だからこそ、ボード製作では「何を優先するか」を明確にする必要があります。


もちろん、ギターの楽しみ方は人それぞれです。ライブ、セッション、動画投稿、自宅演奏など、目的によって最適解は異なります。その中でも本稿では、ライブ用ボードを組む際に私が重視している考え方について紹介したいと思います。





ボード製作全般の考え方・優先順位

私が重視しているボード製作の優先順位は以下の通りです。


1. 軽量

2. ミス・トラブル対策

3. 音質


ライブ用ボードで最も大切なのは、「ステージで確実に音を出し、パフォーマンスを最大化できること」です。音の違いにとことんこだわること自体は素晴らしいですが、そのこだわりが原因でライブパフォーマンスが低下してしまっては本末転倒だと私は考えています。音質はもちろん重要ですが、それはあくまで総合点の一要素に過ぎません。





1. 軽量

まず強調したいのが「軽さ」です。

どれだけ理想的なボードを組んでも、最終的には軽量版・簡易版ばかり持ち出すようになる──これは私自身の経験でもあります。

極端な例ですが、重いボードの持ち運びが苦痛になることで、ライブやスタジオリハーサルに対してネガティブな印象が芽生え、大好きだったはずのバンド活動が「つらい」「面倒くさい」と感じるものになってしまう可能性すらあります。

さらに、重いボードは身体への負担も大きいです。手を痛めれば演奏そのものに支障が出ますし、肩や腰を痛めるとライブのために外出することすら困難になる場合があります。ライブで全力で動ける身体を維持することは、ギタリストにとって非常に重要です。

したがって、「持ち運べること」はボードの性能の一部と考えるべきだというのが私の考えです。



スーツケースとかの重量を測るための吊り下げタイプの測り。エフェクターボードの重量確認のために使用。

スーツケースなどの重量を測るための吊り下げタイプの測り。エフェクターボードの重量確認のために使用。





2. ミス・トラブル対策

ライブ中に音が出なくなった瞬間、どれほど豪華なボードも価値はゼロになります。アンプ直と同じどころか、状況によってはそれ以下です。

また、意図しない音が出たり、操作に気を取られて演奏が疎かになるくらいなら、「エフェクターを減らした方が良かったのでは?」と感じることすらあります。


複雑にしすぎない

トラブルは常に起こりうるものです。だからこそ、トラブル時の対応が遅くなるような複雑な構成は避けたいと考えています。

また、スイッチが密集しすぎて踏み間違えるようなボードも私は避けています。私はステージ上を動き回るスタイルなので、踏みやすさは特に重要視しています。


踏みやすい

踏み間違いは音の破綻だけでなく、パフォーマンスの低下にも繋がります。

エフェクターの切り替えに集中しすぎて演奏がおろそかになったり、ボードの前に張り付いて下ばかり向いて演奏する──そんな姿は私のスタイルではありませんし、ライブの魅力を損なうと感じています。

エフェクターは「踏むための道具」であり、踏みやすさは音質と同じくらい重要な要素だと考えています。



Irokawaのメインボード。可能な限りのミニサイズのエフェクターを採用。一方でエフェクター同士の間隔を詰めすぎず、踏みやすさを重視した配置となっている。




3. 音質

もちろん音質は軽視できませんし、私自身音質は一切妥協しておりません。しかし、最初に述べた通り、2026年現在、エフェクターは数えきれないほど存在し、求める理想の音質に対して複数の選択肢があります。

つまり、自分の出したい音が出るエフェクターはいくつもあり、その中からサイズ・重さ・価格などを踏まえ、「総合的にパフォーマンスの点数が高くなる」選択が可能だということです。

最終的に音の良さを決めるのはプレイヤー自身のスキルであり、ボードはその力を最大限に引き出すためのサポート役です。





おわりに

エフェクターボードは、単に「好きな機材を並べる場所」ではなく、ライブにおいて自分の音とパフォーマンスを最大化するための装置です。

軽量性、トラブル対策、踏みやすさ、音質──これらのバランスをどう取るかはプレイヤー次第ですが、優先順位を明確にすることで、より実戦的で信頼できるボードが完成します。

ライブで最高の演奏をするために、ボードは常に「味方」であるべきだと私は思います。








irokawa

1988年宮城県仙台市生まれのボーカリスト&ギタリスト。2018年メンバー募集サイトで出会ったAndrewとともにSnooze Potatoを結成。リードギタリストとして精力的に活動中。たまに弾き語りもしたりする。エフェクター試奏動画youtubeチャンネル"shari pedals"の運営、エフェクター初心者向け講習会"Pedal Labo"の主催も行っている。エフェクターをこよなく愛し、エフェクターを眺めながら酒が飲めるほどだが、実はFirebirdとミニハムバッカー搭載ギターも大好き。多数のギター、アンプ、エフェクターを所有しているが腰が弱いため実際の使用機材は超コンパクト。


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