結成8年目にして1st Album「抜刀」をリリースした 千葉発轟音系 Heavy Mixture Band "FATIMA"。リリース直後の熱さめやらぬメンバーにアルバム制作についてインタビューを行いました!
interview by 齋藤泰人(Hooky Records)
2021.05.02
ー アルバムリリースおめでとうございます。今の率直な気持ちを教えて下さい。
Wacha ありがとうございます!ホッとしたのと嬉しさ半々ですね。
racci ありがとうございます。完成したアルバムを改めて聴くと感慨深いものがあります。
PNK 色々な方々にサポートされて何とかリリースにこぎつけました。ありがとうございました!アルバム(CD)リリースの大変さを実感しました。
ー 反応はどうですか?
Wacha ありがたい事に反応良いですよ!人によって「この曲が良い」「あの曲が良い」って反応が違うのもあって面白いですね。
racci 反応はまずまずだと思います。アルバムリリースを機にバンドをやってることを知らなかった人にも知ってもらえたのは嬉しいですね。
PNK 意外なところからの反応がありますね。反応してくれるだろうなーっていう層以外にTwitterや他SNSを通じて、反応してくれたのが結構あって、ありがたかったです。
ー FATIMAが広がるのを感じますか?
Wacha 感じますね。SNS上でしか面識無い方等が「FATIMA買いました」なんてツイートしてくれたり便利な世の中になりましたね(笑)。
PNK そうだね〜。あと、今回はアルバムに繋げるために、4曲のシングルカットもしてきました。少し数が多すぎるかなとも途中で思いましたが、ヘヴィロックではないヒップホップミックスの曲もやったりして、違う層のリスナーを獲得できたと思います。また、そのきっかけでバンド本来のヘヴィロックサウンドを聴いてくれた方も多くいて、なんでもやってみるもんだなーっと改めて感じています。
ー "Wrestle Mania"や"Indy500"のリミックスなんかは海外での再生回数も凄いですよね!
racci その2曲のリリックに関しては自分達の趣味をより反映させた内容になってるんです。
PNK そうですね!海外の方々が沢山聴いてくれましたね。アルバムの中にもアルファベット表記の曲が他にもあるのでFATIMAサウンドがもっと広がれば面白いですね!TikTokなんかでも"Wrestle Mania"の音源で動物同士が戯れていたりする動画に使われていて、結構面白いですもんねー。
Wacha SNS様々です(笑)。
ー SNSでの活動も頑張っていますよね。
Wacha 始めた当初は結構偏った感じだったんですけど、アドバイスが有りましてね。やはり沢山の人に聴いて貰う事が重要かと!そこからですかねぇ。
PNK そうだね。日々ポチッと地道に(笑)。
Wacha そうですね。ポチってますね(笑)。
racci 頑張ってくれてる二人に感謝です。多謝。
ー 2013年に結成してから8年目にして1st Album「抜刀」のリリースとなりました。何故、このタイミングでのリリースだったのですか?
Wacha 以前からきちんとした形の音源を作ろうと言う話はあったんですがメンバーが脱退した事で収録曲をどうするか考える時間が出来たんです。その内メンバーもサポートで入ったので、どうせメンバー変わるのであれば曲もRec用に新たに書こうと思いまして。
Rec用の曲がこのタイミングで出来たからRecしましょうって事になったんです。バンド内で「まだ早いのでは?」と言う意見も出ましたげど、自分割と物事決めたら直ぐにやりたいタイプなんですよ。せっかちと言うか。
PNK そうですね。俺は早すぎではないかなって言う意見の方でした。バンド全体としては「特にどっちでも」って言う感じだったのですが、やりたいメンバーがいるのであれば、やってみようと、そんな感じでした。当時はまだ、バンドとしてシングルカットもしたことない時期だったので、全員でアルバムRecをやっていけるのかという不安はありましたね。
最終的には新しいことを実行しないと何も進まないのでやってみようと自分自身思い、Wachaに賛成しました。
ー Rec用に書いた曲と既存の曲で違いはありますか?
Wacha Rec用に書いた曲の違いは今までやった事の無いタイプの曲、規定路線の曲、タイプ的に被らないようにするの3点を気にして作りました。規定路線って言うのは聴いた時に、「あ~FATIMAっぽいね」って感じですね。まぁこれは以前から知ってる人だけにしか分からないんですけどね(笑)。
PNK 全体的な曲調のバランスはWachaにやってもらっているのであまり注文はしないのですが既存の曲とアルバム用の曲で、アルバムとして曲調が起承転結するように作ってくれたのでよかったですね。また、"In Deep"はブレイクを入れたラップメインの曲の要望をうまく具現化してくれました。
リリックに関しては曲調バランスをトラックの方でとってくれてるのでそれ合わせて作ってます。なのでリリックは特にアルバムだからとかはないかな?基本的にはracciと一曲交代でお題・フックを決めて、発案者の趣旨にのってくように作ります。そんな感じで一つの考えが偏らない様に制作してお互いの個性出してます。racciはどうかな?
racci ザッツライ。ある程度仕上げてもらったトラックを聴いて曲のタイトルを決めてタイトルに沿ってリリックを書いていく。それをPNKと交互にやってく感じですね。
だからリリックに関して言えば、アルバムだからどうというのは無かったですね。トラックが持つ雰囲気を壊さないようには心掛けました。
ー 誰がどのお題・フックを持ってきたか教えて下さい。
racci PNKが"抜刀"、"Synchonicity"、"Indy500"で自分が"Turn It Up"、"In Deep"、"Life of Struggle"、"Rolling Cradle"ですね。"Wrestle Mania"は二人で話しあって仕上げた感じだったと思います。
PNK そうですねー。だけど"Wrestle Mania"はracciですね。フックだけは共作ですけど。今、作った時の光景浮かんできましたー!これは元々2人でクラブでラップしてた時の曲をバンドでアレンジしてもらいました。マクドナルドで打ち合わせしながら作りましたね(笑)。
ー そうだったんですね(笑)。
PNK 自分が主で作ったものの中ではやはり"Indy500"が1番印象的かなー?トラックは勿論個性的ですが、フックもただオートチューンというだけでなく、歌っぽくして少しメロディアスな感じにしました。対照的に"抜刀"はまさにザ・ミクスチャーという感じのトラックで、元々はクラブでのライブ用にWachaにバンドテイストのトラックを依頼し作ってもらいました。これがカッコ良くてバンドでもやる事になったのですが、まさに王道といったトラックなので負けずにハードなゴリゴリのラップに仕上げました。抜刀という意味は「普段はどうであれ、いざという時には鋭い刀を隠し持っていて、いつでも抜けるんだよ」と。「じゃ、今から抜いちゃうよ!覚悟しな!」っていう強い決意を表明した曲になってます。こういう曲、個人的には一番好きです。
racci 個人的には"Turn It Up"かな。トラックを聴かせてもらった時に、頭に浮かんだのが何故かPublic Enemyの"Bring the Noise"。だからフックのリリックも同曲の一部を引用させてもらいました。hiphopが好きな人はニヤリとするかもしれませんね。
ー 実はアルバム収録曲を見て驚いたんですよね。ライブ会場で配布していた4曲入りデモCDの曲が一曲もアルバムに収録されて無かったので。
Wacha 過去は捨てました(笑)。冗談です。アルバム用に新しく書いた曲とのバランスを考えた時に今回は入れない方が良いと思ったのと実際既にプレイしていない曲もあったんですよ。
ー 集大成としてではなく、今のFATIMAを閉じ込めたアルバムって事ですかね。
Wacha そうですね。今まではツインギターでやっていたのですがギターが1本になりまして、同期を導入したりと変化をしているので現段階でのFATIMAを表現したと言う事ですね。
ー 同期はどのように制作してますか?
Wacha う~ん、説明が難しいんですけど自分の場合はギターから曲作って暫く同期作るのは放置するんですよ。頭の中でギターと一緒に同期を鳴らしてイメージして行って実際に同期打ち込む感じですね。イメージと違ったら再度頭の中でギターと同期鳴らす感じです。分かりづらくてすみません(笑)。
ー 伝わりましたよ(笑)。頭の中で鳴ってる音を形にしていく方法ですね!
Wacha そうです(笑)。
ー CDと音楽配信で行われましたがどういう思いが込められていますか?
Wacha 音源を出すにあたってここは迷いましたね。CDが良い世代もいれば配信が良い世代も居るので多くの人に聴いて貰いたいがために両方を選択したって感じですね。実際自分の周りに居る20代前半の世代はCD聴く手立てが無いって言ってましたから驚きでしたよ。後は個人的に昭和生まれの自分は銀盤で音源出すのが一つの目標だったんで。
PNK 初めはやはり製作物として、形が残るCDというものにはかなり魅力感じてましたね。なのでCDどんとこい!っていう感じでした。
シングルカットを配信で4曲おこなって、比較的やりやすかったので「色々と大変なCDはどうなんだろう」と思った期間も少しありましたが、出来上がったCDは、やはりデータでは感じられない感動がありました。Wachaからもらった時、手に「ずしりと」感じましたよ!
Wacha 昭和生まれのロマン(笑)。
PNK そうだね!やっぱ現物ないとね(笑)。
racci CDは確かに作った感があるので嬉しいもんですね。けど電車通勤組のワタクシはもっぱら配信で聞いております。というわけでCD、配信、両方ありだと思います。
ー アルバム制作後の目標はありますか?
Wacha 目標はレコ発と大掛かりには出来ませんがツアーですかね。ツアーと言ってもショートツアーって感じになりますが。
racci ツアー良いですね。色々なライブハウスでライブをしてみたいです!
PNK そうだね!ツアーは是非やりましょう!
ー 地方の美味しいものも堪能したいですね。
Wacha 食べるの好きなんでそれも良いですね!
racci 間違いない!
ー ツアー先ではどんなライブになりますか?
Wacha 今までよりライブに対しての捉え方が変わると思います。今まで適当にやって来た訳では無いんですけど、なんだろうなぁライブに対しての責任感と言うんですかね。
PNK バンドとしてはそうだねー。やはり、アルバムをリリースしたことに恥じないライブをやっていきたいですね。個人的にはRecで培ったことを物理的にも気持ち的にも活かせるライブをしていきたいですね。
racci 一曲入魂スタイルという点では変わりはないのですが、バンドのテンションだったり、見てる人の反応だったりどういう変化があるのか、自分自身すごく楽しみですね。
ー では最後にインタビューを読んでくれた方にメッセージをお願いします。
Wacha 気になった方1曲でも良いからまずは聴いてみて下さいねってとこです。
racci FATIMAを聴いて楽しんでもらえれば幸いです。そして必ずまたライブをバチバチにかましていくので、その際は是非遊びに来て下さい。
PNK この曲を1人でも多くの方に聴いてもらいたいです。良いコメントも悪いコメントもまずは聴いてもらえないと始まらないので、少しでも興味持ってくれたなら、是非、まずは1曲でもいいので、曲を聴く時間をFATIMAにください!よろしくお願いします!
FATIMA
wacha(Gt.) がラップユニット N.B.S(PNK・racci) のライブを観戦。Mixture Sound でのラップ表現を新たに模索していた N.B.S、ラップとバンドの融合によりまったく新しいものを表現しようとしていた wacha、両者の思惑が合致し意気投合。
当初は1回限定のプロジェクトとしての活動予定であったがライブの評判が上々で合った事と、このユニットに無限な可能性を感じ、正式にパーマネントなバンドとして活動するべく2013年にFATIMAを結成。
Heavy Rock をバックボーンに持つ楽器陣と 90’s 中盤の Hip Hop をバックボーンに持つ Rap陣 とが融合し、独自のHeavy Mixture Soundを形成。重低音の唸りに絶妙に絡みつく 全編Rap の轟音をcheck it out!!
LINK:FATIMA プロフィール
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