インタビュー後編:「NEVERTHELESS」はパッケージ商品に対する愛とバンド愛の結晶。

 

 

ー 目下の最新作としてはTMWの「NEVERTHELESS」になりますが、タイトルにはどういった思いが込められていますか?

nori 「NEVERTHELESS」は「それにも関わらず」という副詞になります。どんなタフな状況でもやり遂げるという強い意志を込めました。言葉の強さも含めて気に入っていますね。

 

ー 我々リスナーは日常生活の場面場面で「NEVERTHELESS」の楽曲が脳内再生されるんですよ。それを口ずさんで頑張れるんです。

nori そう言ってもらえれば本望ですよ。

ー レコーディングはどのように?

nori リズム隊、特にドラムの録音を狙ってレコーディングスタジオに入り、唄やコーラス、他の上物の楽器については、自宅を改装したスタジオで録音しました。バンドによって録音方法や掛けられる予算はそれぞれだと思いますが、僕らにとっては今のところ、この方法がベストだと思いますね。

ー 自宅にスタジオがあると納得いくまで作業出来ますよね。その反面、凝り性だからエンドレスになりませんでしたか?

nori 確かにそうなりがちですよね。ただこの作品は、曲ごとにゴージャスなアレンジにするかシンプルなアレンジにするかを、事前にある程度決めていたので、やりながら迷うことはあまり無かったですね。唄やコーラス含めて、録音自体はそこまで時間はかからなかったですが、やはりミックスは時間の制約がないとドロ沼化する傾向があります。ロックバンドとしては、あくまで生演奏のリズム隊が軸なので、そこは殆どいじらない前提で頑張りました。

ー 結果、名盤が誕生したと思いますよ。実際にレコーディング作業をしていたのは約3年前ぐらいですよね?振り返ってみて「NEVERTHELESS」とはご自身にとって、どんな作品ですか?

nori 収録された楽曲や演奏、音質やミックスは勿論ですが、2枚組という形態、ジャケット回りのアートワークから印刷する紙質まで、モノとしてのCD作品に、可能な限りこだわったつもりです。この時代ですから、あと何枚実体を伴った作品としてリリース出来るか分からないし、バンドとしても最後の作品かも知れない・・・。そう言った意味では、パッケージ商品に対する愛とバンド愛の結晶ですかね。

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TAPE ME WONDER

2nd Full Album「NEVERTHELSS」

豪華2枚組20曲を収録。アートワークには、新進気鋭のイラストレーター、中村隆氏に全面協力を仰ぎ、段ボール紙を使用し「思わず手元に持っておきたいCD作品」をテーマに内容、外装共に妥協のない作品に仕上がっている。

LINK:「NEVERTHELESS」紹介ページ

クリエイターの個性がよく出てると思います。

 

 

ー 「NEVERTHELSS」からは3本のMVも公開されていますね?

nori MVについては、まずお願いしたいクリエイターを決めて、基本的には彼らに映像のイメージが沸く曲を選んで貰って進めました。だからそれぞれのクリエイターの個性がよく出てると思います。

 結果的にクリエイターにはかなり苦労をかけたと思いますが、楽しい経験でしたね。

 

ー 楽曲を指定しないで制作依頼するって珍しいパターンじゃないですか?

nori 勿論、そこはある程度話し合いながら決めましたけどね。餅は餅屋ということで、出来るだけ最初から絡んでもらいました。

ー 初めに公開されたのは「MARSHMALLOW」ですかね。

nori 「MARSHMALLOW」のMVの監督は甲斐君という、テレビCM業界でも売れっ子の映像ディレクターにお願いしました。

お互いに、色々な面でアイディアを練っていく中で、アイドルグループ全盛の今でこそ、おっさんバンドが360°カメラを使ってノリノリで撮影するという、クレイジーなテーマがいいんじゃないかと。

ちなみに、歌詞が円形で流れてきますが、あれは懐かしのドーナツ盤をモチーフに、僕が全部手書きで描きました。

ー 後半のパーティー感が凄いですよね(笑)。あの衣装は各自で考えたのですか?

nori そう、あれはそれぞれ個人の私物です(笑)。

ー ちゃんと個性が出ています(笑)。

 

 

ー 二番目に公開された「EVEN」はどのように?

nori 「EVEN」と「NEVERTHELESS」は、熊ちゃん(エロパンサー3世:noTOKYOのドラム担当)にお願いしました。「MARSHMALLOW」とは真逆のシリアスな空気感ですが、バンドの演奏シーン以外に、細かい素材が沢山散りばめられているので、構成がかなり大変だったと思います。

ー 「V.A. / 道場破り」のトレーラーも彼が作ってくれたのですがリズム感の素晴らしい映像が多いですよね。ドラマーだからかな。

nori そうそう、そういった意味だと「NEVERTHELESS」は彼の真骨頂でしょうね。ドラマーとしても売れっ子だし、しょっちゅう旅しているし、何せ多才だよね、熊ちゃんは。

兎にも角にも、言葉には敏感でいたいですね。

 

 

ー 現在のバンド(TMW)の調子はどうですか?

nori 正直、ライブクオリティのアベレージはかなり上がっていると思います。Who the Bitchと行った九州ツアーも最高だったし。ただ 「NEVERTHELESS」の後しばらくは、気分的に新曲を作るモードになれなかったですね。創作的にはメロモンの録音に参加したくらいで。

 最近、久々にクリエイト欲が爆発してるので、一気に3曲くらい作りました。齋藤君もスタジオで聴いたと思うけど。どうだった?

ー TMW王道のストレートな楽曲に加え、よりレイドバックした楽曲、リズムの面白さも加わって、より豊かなバンドサウンドになった印象を受けました。特に「ヤーレン、ソーラン、ロックンロール」という言葉の響きには鳥肌が立ちましたよ。

nori その感想は何曲かゴチャ混ぜになってるね。ただ確かに、詩についてはより一層、拘るようにはなりましたね。

ー 歌詞は全部、聴き取れた訳じゃ無いですけど、「お前に価値なんて無い〜ただ、ひたすらに働け〜」みたいに歌ってませんでした?グッとくる歌詞だな〜と。

nori まー、まだラフな歌詞だったけどね、そこでグッとくるのは問題あるんじゃない?(笑)

 

ー まるで自分の事を歌われてる気分でね(笑)。

nori 兎にも角にも、言葉には敏感でいたいですね。

ー ところで、最近、1年半前にやったPeのインタビューが公開されましたが読みましたか?

nori あれね、モチロン読みましたよ。他のメンバーの単独インタビューを読むのは、ちょっとハラハラするけど新鮮!是非、他のメンバーも読んでみたいですね。

 インタビューの中で曲作りの段階で僕のダメ出しについてのエピソードもあったけど、唄や詩についてのダメ出しも彼はかなり厳しいですからね。ただ、ボキャブラリーがあまりに貧困なんで伝わり辛いだけで(笑)。

 一般的に、ベースってあまり目立たないパートのように思われているみたいですが、それはとんでもない話で、ベーシストのセンスがそのバンドの個性を決めてると言っても過言じゃないです。試しに同じ曲を異なるベーシストに弾いて貰ったら、かなり印象は変わると思いますよ。

ー 文字通り、音楽のベース(基礎)なんですね。

nori 僕もこれまで、Low-key(GQ06)、watabone(pwbe)、Miya38(Miyasonic)、Peと、個性豊かなタイプの違うベーシストとバンドを組んできましてが、それぞれのバンドが持つ音楽的な個性の、まさに象徴的な存在だと思っています。逆に言えば、そうでないベーシストとは組めないかな。

曲こそが全ての未来を切り拓いてくれると信じていますから。

 

 

ー 今後のTMWの予定や目標など、ありますか?

nori メンバー個人個人としての目標の集合体が、バンドの目標になれば理想的ですけどね。この2年くらいでライブの表現力は相当上がったと思うので、とにかく更なる名曲をモノにしたいです。やはり僕らのようなバンドは、曲こそが全ての未来を切り拓いてくれると信じていますから。

ー 次回作の構想はありますか?

nori 前作、「NEVERTHELESS」が余りにも大作だったので、しばらくライブやプロモーションに専念していたのですが、最近、TMWもようやく新曲が数曲ばかり完成し、ライブでも披露し始めています。まだ次作の展望は見えてないけれど、より焦点を絞った、シンプルな作品になるんじゃないかなと漠然と思っています。

ー スケールとしてはアルバムをイメージしてますか?

nori そこも考えてはいないですね。もっと言うと、リリース形態も決めてないです。ただ、古い考え方かも知れませんが、録音のペースとして、10曲以上というのは、無意識に基準にしているかも知れません。コンピなどに提供する場合は別ですが、例え1曲ごとの配信リリースだったとしても、なんとなく最低10曲分は仕上げてから録音に入りたい気持ちはあります、効率も含めて。

ー 10曲を作詞作曲する過程で曲順を意識してますか?

nori そうですね、具体的ではないけど、作品でもライブでも全体の流れは意識してます。

ー では次回作もアルバムでお願いします(笑)。

nori 次は3枚組ですかね(笑)。アルバムという概念が薄れつつある時代かも知れないですが、色々と試したいアイデアもあるんで、是非、楽しみにしていて下さい。

ー では、そろそろ締めです。ファンの方々へメッセージをお願いします

nori 最後まで読んで頂いた皆さん、長々と有難うございました。僕も疲れました(笑)。

 対象が何であれ、人生の中で「これだ!!」と思えるものや、一生モノの仲間達に出会えたこと自体、一人の人間としてとても幸せなことだと思っています。

 これまで長らく、バンドという個人だけでは出来ない形で活動を続けられているということは、間違いなくメンバーやスタッフ、お客さんを始めとして、皆様のお陰だと思っています。自分でもまさかここまで長く続けられるとは思っていませんでしたから。

 最近、自宅で古いレコードを沢山聴いているのですが、その多様な音楽の形に、この歳になっても新鮮な驚きと熱狂を貰っています。古今東西、掘ろうと思えばら本当に個性的で多様な音楽は沢山眠っていますので、是非皆さんには好奇心を持って、素晴らしい音楽ライフを送って頂けたらと思います。そして僕らも、そのアーカイブの一部に加われるような作品作りや活動をしていきたいと思っていますので、これからも是非チェックして貰えたら嬉しいです。

 楽しみたければ、仲間になりな!

 

noribooooone Profile

 PGという名でGQ06で東芝EMIにてデビュー後、数々の新人アーティストのディレクションを手掛ける。

 現在は国内外を駆け回り仕事、pygmy with bitter ends、TAPE ME WONDER、Mellow Monk Connectionなど多岐に渡るプロジェクトを継続中。

 飲み会ではついつい熱くなりがちだが、好奇心にあがらえない大人であり、反断捨離派の愛犬家。旅とブログ、サウナとミニクーパー、レコードと映画がキーワード。)

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